擬木とは?特徴や種類を紹介しテーマパーク等で選ばれる理由も解説

「擬木」とは、天然木の質感や木目を人工素材で再現した建材のことです。
近年は、見た目の自然さだけでなく、設計のしやすさや表現の幅広さにも注目が集まっており、用途に合わせてさまざまな種類の擬木が使い分けられています。
本記事では、擬木の特徴・種類・素材による違い、活用される場面、導入時に押さえておきたいポイント、そしてテーマパーク等の様々な分野で選ばれる理由を順に解説します。擬木について知りたい方や、導入を検討している方はぜひ最後までお読みください!
擬木とは?基本定義と選ばれる理由を紹介!

擬木とは、天然木の風合いや木目を人工素材で再現した建材の総称です。本物の木のように自然な見た目を保ちながら、腐食・劣化・虫害などに強く、屋外環境でも安定した状態を維持できるよう設計がされています。
擬木に使われる主な素材には、コンクリート・樹脂・FRP(繊維強化プラスチック)などがあり、設置場所や求められるデザイン性に応じて使い分けられています。素材によって質感や表現の幅が異なり、木目の再現度、重量、加工性、設計の自由度などが変わる点が大きな特徴です。
これらの特性から、テーマパークや観光施設などの特殊演出用造形としても広く採用されており、長期的な室外での活用や屋外の安全性とデザイン性を両立したい場面で活用されることが増えています。
実際の擬木導入シーン
擬木は、自然な見た目と扱いやすさを兼ね備えているため、さまざまな屋外空間で利用されています。
特に次のような場所で効果を発揮します。
- テーマパーク:アトラクション周辺の装飾 / 自然風のオブジェ / 背景造形 / 世界観を再現する演出素材
- 自然エリア:登山道 / 遊歩道の柵 / 案内板の支柱 / 展望デッキの構造部材
- 公園:ベンチ・手すり・遊具 / フェンス・植栽スペースの囲い / パーゴラやデッキ材
擬木導入時のメリット
擬木には、天然木では得られない利点が数多くあります。代表的な特徴は以下の通りです。
1.メンテナンスの負荷を軽減できる
腐食・虫害・ひび割れなどの心配が少なく、定期的な補修や交換の頻度を抑えられます。
2.景観を長期間維持しやすくなる
紫外線や雨風に強く、野外環境でも色味や質感を保ちやすいため、設置後の景観が長く安定します。
3.設置場所に合った素材選びができる
擬木にも用途に応じた多種な素材が準備されており、景観を崩さず理想の機能を兼ね備えた擬木となる。
これらの要素により、擬木は利用者の安全性を確保しつつ、環境負荷や維持管理のコストを抑えられる建材として多くの施設で採用が進んでいます。
【関連記事】擬岩についてはこちら
https://fieldclub.co.jp/column/atificial-rock/
擬木と天然木ならどちらを選ぶ?

擬木と天然木はどちらも景観づくりに欠かせない素材ですが、それぞれに特徴があります。
擬木と天然木はどちらも景観づくりに使用される素材ですが、風合い・耐久性・維持管理・デザイン性 といった観点で特徴が異なり、利用シーンや求める機能によって、適した素材が変わります。
天然木の特徴
天然木は、自然そのものが持つ温かみや豊かな風合いを楽しめる点が大きな魅力です。一方で、屋外で長期間使用する場合は、腐食・ひび割れ・虫害 が生じやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。
気候や環境の影響を受けやすいため、「自然素材の風合いを活かしたい場面」に向いています。
擬木の特徴
擬木は、天然木の質感を再現しながら 耐久性・安全性・維持管理のしやすさ を高められる建材です。
腐食や虫害の影響を受けにくく、紫外線や雨風にも強いため、長期的に景観を保ちやすい点が特長です。また、天然木では難しい形状や表現にも対応しやすく、景観デザインの自由度を広げられます。
どちらを選ぶべき?
・自然そのものの風合いを大切にしたい場合 → 天然木
・安全性・耐久性・維持管理のしやすさを重視する場合 → 擬木
用途や設置環境を踏まえて選ぶことが大切です。また、費用面は素材やデザイン、施工条件によって大きく変わります。「どちらが適しているかわからない」「最適な仕様を相談したい」という方は、ぜひフィールドクラブにお気軽にご相談ください。
擬木で用いられる素材と選び方

擬木にはいくつかの素材が使われており、用途・設置環境・求めるデザイン性によって最適な素材が異なります。
ここでは、主に使用される「コンクリート」「樹脂」「FRP(繊維強化プラスチック)」の特徴を紹介します。
1.コンクリート製擬木
コンクリート製の擬木は、高い強度と耐久性 が特長で、屋外環境でも長期間安定した状態を保ちます。
重量があるため安定性が高く、衝撃が加わりやすい場所や公共空間でよく採用されています。
用途:公園の柵 / ベンチ / 河川敷や遊歩道の護岸 / 交通量の多いエリアの構造物 など
見た目:塗装で色調を調整できる
木目型を使って成形するため、凹凸のあるリアルな木質感を再現
質感は重厚で、近距離では石材に近い硬さを感じる場合もある
こんなシーンに向いている:強度や安全性を最優先したい公共施設
劣化しやすい環境で長期的な運用が求められる場所
2.樹脂製擬木
樹脂製の擬木は、軽量で施工しやすく、デザインの自由度が高い素材 です。
住宅外構から商業施設まで幅広く使用され、リサイクル材を利用した環境配慮型の製品もあります。
用途:デッキ材 / フェンス / 住宅外構 / 商業施設の景観部材 など
見た目:色・柄のバリエーションが豊富・木目や色調が均一で整った印象
人工的にきれいな仕上がりで、色あせ対策を施せば長期間安定
こんなシーンに向いている:デザイン性を重視したい住宅・商業施設
軽量で施工しやすい素材を選びたい場合
継続的なメンテナンス負担を減らしたい空間づくり
3.FRP(繊維強化プラスチック)製擬木
FRP擬木は、テーマパーク・観光施設で特に多く採用される素材です。
軽量・高耐久・高い造形力 を持ち、演出用造形のクオリティを大きく高められます。
用途:テーマパークの背景装飾・造形物 / アトラクション周りの演出 / 観光施設の自然風オブジェ など
見た目:成形自由度が非常に高く、節・割れ目・年輪まで再現可能
マット・光沢など塗装仕上げを自由に調整できる
「リアルさ」は擬木素材の中でもトップクラス
こんなシーンに向いている:世界観づくりや演出が重視されるテーマパーク
特殊な形状・表現を求める造形
軽量性が必要な高所・大型造形物
素材選びのポイント
擬木の素材は「どれが優れている」というより、設置環境・目的・デザイン要件に応じて選ぶのが最適 です。
・強度、耐久性を最優先したい → コンクリート
・軽さと施工性、デザイン自由度 → 樹脂
・リアルな質感・造形性・世界観演出 → FRP
用途や施設の目的に合わせて選定することで、景観の美しさと安全性、運用しやすさを両立できます。
| コンクリート | 樹脂 | FRP | |
| 耐久性 | ◎ | 〇 | ◎ |
| 重量 | 重い | 軽い | 軽い |
| 防腐・防虫 | ◎ | ◎ | ◎ |
| メンテナンス性 | 〇 | ◎ | ◎ |
擬木のことならフィールド・クラブへ
擬木は、天然木の温かさを活かしながら、耐久性・安全性・維持管理のしやすさを高められる建材として、公共施設から商業施設、住宅外構まで幅広く利用されています。
素材やデザインの選び方によって印象や性能は大きく変わるため、導入の際は用途や設置環境に合った仕様を見極めることが重要です。特にテーマパークやリゾート施設では、世界観を表現しながら、来場者が安心して利用できる空間づくりが求められます。
フィールド・クラブでは、擬木をはじめとした造形素材を用いて、アトラクションやエリア演出、背景装飾などの空間演出全体をトータルデザインでき、企画から設計・製作・施工・メンテナンスまで一貫して対応可能です。経験豊富なデザイナーと職人による高品質なものづくりで、安心できる景観づくりをお手伝いします。
擬木の導入を検討している方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。