GRCとは?建築で使われる建材の特徴・用途・他素材との違いをわかりやすく解説

GRCという単語を調べると、Web分析ツール名やビジネス用語として目にすることがありますが、建築の世界ではまったく別の意味を持ちます。それは、建築で使われる素材で、幅広い用途で活用される現代建築では欠かせない建材のことです。ですがそんなGRCについて知らない方が多いはずです。
そこで本記事では、そんなGRCがどんな素材なのか、特徴や用途、他素材との違いまでをわかりやすく解説していきます。
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建築で用いられるGRCとはなに?
GRC(Glassfiber Reinforced Cement)とは、セメントにガラス繊維を混ぜ合わせて強度を高めた建築素材のことです。一般的なモルタルよりも軽量で、割れにくく耐久性が高いのが特徴で、主に外壁パネルや装飾パネル、寺社、モニュメント、テーマパークの造形など、意匠性を求める建築で幅広く活用されています。
工場で均一な品質で成形できるため、大型パネルから細かな装飾まで安定した仕上がりを実現できる点も評価されてきました。また、不燃素材として建築基準を満たしやすく、商業施設やホテルなど安全性が求められる建築物でも採用が進んでいます。
建築で用いるGRCの特徴とは?
GRCの大きな特徴は、一般的なコンクリートよりも軽量で、建物への取り付け負荷が少ない点です。軽さがありながら強度も確保できるため、高所への外壁パネルや大型造形でも扱いやすい素材として重宝されています。
また、ガラス繊維を含むことで割れにくく、薄肉でも形状を保ちやすいため、自由度の高い造形デザインが可能です。曲面・テクスチャの細かなディテールなど、意匠性が求められる建築に適しています。
さらに、GRCは不燃材として扱われ、防火基準をクリアしやすい点も大きなメリットです。耐候性・耐久性にも優れているため、強い日差しや雨風にさらされる屋外でも長期使用が可能です。
表面仕上げとしてエイジング塗装を施すことで、本物の石材や岩肌のような質感を再現できるため、商業施設やテーマパークなど世界観づくりが求められる案件でも幅広く採用されています。
GRCを建築で用いる際の注意点とは?
GRCは意匠性の高い造形ができる一方で、採用時にはいくつかの注意点があります。まず、形状によっては専用の型を製作する必要があり、その分初期コストが発生します。特に曲面や大型造形を作る場合は、原型から型取りまでの工程が必要になります。また、大型パネルを扱う際は、吊り込みや搬入動線を含めた施工計画が欠かせません。重量物ほどではないものの、サイズによってはクレーン作業や事前の取り付け位置調整が必要になるケースもあります。
さらに、GRCは工場で完成品として仕上げるため、現場での加工や修正が難しい点も理解しておく必要があります。仕上げ直しや追加工は基本的に工場での再製作となるため、事前の設計精度や寸法確認が必要です。そのため、GRCの扱いに慣れた施工会社や造形会社へ依頼することが、品質確保とトラブル防止につながります。
GRCが建築で用いられるシーンとは?
GRCは意匠性・耐久性・不燃性を兼ね備えているため、さまざまな建築シーンで採用されています。
・商業施設の外壁パネル
大型パネルでも軽量で扱いやすく、意匠性のある外観を作りやすい。
・ホテルの外装・装飾パネル
高級感のある質感を再現でき、デザイン性を重視する外装に最適。
・テーマパークの造形
曲面や岩肌など自然な造形表現が可能で、世界観づくりに強い。
・寺社、モニュメントの外装
伝統的な意匠を丈夫で軽量な素材で再現でき、改修にも使いやすい。
・擬岩、擬石などの大型造形
屋外に耐える耐候性があり、石材の風合いをリアルに再現できる。
建築で用いられるGRCと他素材との違いとは?
建築で使用されるGRCは、見た目の表現力だけでなく、不燃性能や屋外耐久性など複数のメリットを持つ素材です。他の建材と比較すると、それぞれに異なる特徴があります。
FRP(繊維強化プラスチック)との比較
・FRPは軽く、細かな造形が得意、経年の黄ばみ対策が必要
・GRCは重量感、屋外耐久性、不燃性能が強い
モルタル造形との違い
・モルタルは現場で作れるが重量があり、工期が長い
・GRCは工場製作で品質安定、大型造形が可能
RC(鉄筋コンクリート)との違い
・鉄筋コンクリートは重量、工期、コスト共に大
・GRCは軽量で意匠性が高い
GRG(石膏系不燃造形)との違い
・GRGは屋内向き
・GRCは屋外向き
GRC建材の製作工程
GRC建材は、デザインの確認から取り付けまで、いくつかの工程を経て製作されます。工場で品質を安定させながら造形できる点も、GRCの大きな特徴です。
1.造形デザイン・意匠確認
建築デザインや意匠の方向性を決め、形状・サイズ・質感などをすり合わせます。
2.3Dモデル・原型制作
デザインをもとに3Dモデルを作成し、必要に応じて原型を製作します。
大型造形や複雑な形状では特に重要な工程です。
3.型取り
原型からシリコン型やFRP型などを製作し、GRCを流し込むための型を用意します。
4.GRC成形(ガラス繊維混入)
セメントにガラス繊維を混ぜ合わせたGRCマテリアルを型に成形します。薄肉でも割れにくく、軽量化を維持できます。
5.乾燥・補強
成形後は十分に乾燥させ、必要に応じて裏面の補強材を取り付けます。
6.特殊塗装(エイジング)
仕上げ塗装を行い、石材風・岩肌風などのエイジング表現を施します。
7.搬入・取り付け
完成品を現場へ搬入し、施工計画に基づいて取り付けます。
GRCはどんな建築案件に向いている?

GRCは軽量性・不燃性・造形性を兼ね備えているため、以下の様な建築案件で特に効果を発揮します。
・大型造形・重厚感のある外装
薄肉でも強度があり、石材のような迫力を軽量に再現できる。
・不燃材を求める商業施設・ホテル
不燃認定を取得しやすく、多くの公共・商業建築で採用されている。
・屋外で長期的に使う造形
耐候性が高く、日差し・雨風の影響を受けやすい外構にも適している。
・石積み・レンガ調・遺跡調のデザイン
エイジング塗装と組み合わせることで、本物に近い質感表現が可能。
・テーマパークなど世界観重視の空間
曲面・岩肌・装飾など自由度の高い形状が得意で、空間演出に最適です。
まとめ
GRCは、ガラス繊維で強化した軽量かつ高強度の建築素材で、外壁パネルから大型造形まで幅広い用途に活用されています。加工の自由度が高く、不燃性・耐候性にもすぐれているため、商業施設やホテル、テーマパークなど意匠性と安全性の両方が求められる建築案件に向いています。
一方で、型製作や施工計画など事前準備が必要となるため、GRCを扱った実績のある施工会社へ依頼することが重要です。適切な設計・製作工程を踏むことで、デザイン性の高い空間を長期的に維持できる建材として、GRCは現代建築においてますます存在感を高めています。
フィールド・クラブでは、デザインから施工までを一貫して行い、目的や環境に合わせたGRC造形をご提案しています。
GRCを用いた造形を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください!